この春から秋にかけて登山で酷使した我がボディーを大いに労わろうではないか!
というわけで、今回やってきたのは長野は青木村にある沓掛温泉。
沓掛温泉のある青木村のHPによると、ここは平安時代の開湯だそう。
五畿七道の一つである東山道沿いにある宿場で、標高700mほどある沓掛温泉は軽井沢の次に有名な避暑地として大変賑わっていたそうです。
それが近代交通整備がされて東山道を利用する人が激減。
人の流れが変わって、かつては賑わっていた宿場町も今は宿が2軒のみのこじんまりした山間の温泉地となっております。
諸行無常ですな。
人の流れは変わっても、お湯は変わらず今でもコンコンと湧いております。
そんな背景知識を仕入れ、でも小難しいことはさておき。
今回は叶屋旅館にやってまいりました。
あ、そうそう叶屋旅館に投宿した時点で相方さん私もコロナの1回目のワクチンしか済ませていない状態でして。
不特定多数の人と同じ湯船で長い時間を共有するのはなんとな~くイヤだなぁというタイミングだったのですが、この叶屋旅館はコロナ禍でも非常に安心感の高いお宿でした。理由は後述します。
こんなとこだよ、叶屋旅館
投宿日:2021年10月30日~31日
所在地:長野県青木村
チェックイン/アウト:15:00~/~10:00
源泉名:沓掛温泉1号泉、2号泉及び3号泉混合源泉
泉質:アルカリ性単純温泉
浴場:内風呂2つ(予約制貸し切り)
泉温:35.3℃
源泉掛け流し・加水なし・冬季のみ加温あり
Free wifiあり
基本的に素泊まり専門のお宿です。布団も自分で敷きます。
テント泊や山小屋泊に慣れている私達にとっては寧ろ自然なスタイル。
ここのオーナー主人はご自身も難病を抱えており、治療で各地の湯治宿を巡っていたそうです。
その経験や知識があるからなのでしょう。客人にとっては、とても居心地が良い空間になってます。
隅々まで掃除してある館内。
フレンドリーなんだけど決してベタベタしない接客。
古い建築物や道具を生かしたリノベーション。(廃業した旅館を縁あって引き継いだそうで、先人の方へのリスペクトも感じられます)
この雰囲気、好きです!
古さ=歴史に敬意を払って、丁寧に手入れ&清潔にされていて、オーナーさんご夫婦がここを大切にしているのが伝わってきますね。
この窓の意匠にグッときました。陰翳礼讃!日本人の光の取り入れ方の見事さたるや。
朝はほんのりお香が焚かれていたり、お部屋にある枕(そば殻)が合わない人用に別素材(低反発だったかと)の枕を別途用意していたり、加湿器も必要ならばどうぞ…という感じで一階の廊下の棚にさり気なく置かれていました。
宿の居心地の良さってこういうちょっとしたことで左右されるんですよね。
そうそう、先程コロナ禍でも安心と言いましたが、その理由は…
1,トイレが部屋毎に決まっている
各部屋にはトイレがない間取りの叶屋旅館ですが、数あるトイレを部屋毎に割り振っています。
私達は「夫神岳」という部屋なので、「夫神岳」専用のトイレを使用。という具合です。
嬉しい配慮ですね。
建物は純和風ですが、トイレは洋式。こちらも掃除が行き届いておりました。
2,空気清浄機
部屋とロビーと自炊場のキッチンに空気清浄機あり!
3,お風呂が貸し切り
叶屋旅館には内風呂が2つありますが、予約制で3ラウンド×1時間マルっと貸し切りできます。
チェックインする際に入りたい時間枠を予約するシステムです。
先着順なので早くチェックインするに越したことはないかと。
上の写真のように扉の掛札でavailable or not を意志表示。
…とまぁ、コロナ禍において人にあまり接触しないというのは安心感ありますね 。
さてさて、ここの温泉。
源泉掛け流しではありますが源泉の泉温が低い為、チェックイン時に「加温するか、しないか?」を聞かれました。
私達の貸し切り予約1ラウンド目は16時。
まだ昼間の温さが残っている時間帯ということ&まずは生の源泉を味わおう!
ということで「加温なし」にしましたが、今は10月末!日が落ちるのは早く、そしてここは標高700m。
さぶっ!
1ラウンド目は寒かった。でも、服着たらじんわ~り暖かくなってくる温泉パワー。
次の予約は20時だったので、こりゃ加温必要だわってことで加温リクエスト。
その合間に叶屋旅館の目の前にある共同浴場「小倉の湯」へ
10歩も歩かず共同湯~。本当に目の前です。叶屋旅館の扉から見える建物が小倉の湯。
小倉の湯
営業時間:9時~21時(6月~8月:7時~21時)
入湯料:大人(中学生以上)200円・小人(4歳~小学生)100円
定休日:火曜*祝祭日は営業、翌日休業
小倉の湯のパンフレットによると源泉掛け流し・加水、加温、循環なしとのことでしたが、入った感じだと1つの浴槽は加温なし・もう1つは加温ありだったかと。(時期限定かもしれません)
こちらも滑らかでよいお湯でございました。
夕食後の2ラウンド目は加温リクエストによりじんわーり温まる(それでも過度に温めないところが粋)体温程の温度で、1時間のーんびり過ごして多幸感を味わいました。
普段こんなにゆっくり湯船につかることってないですもんね~。
宿にはたくさん本があるので、温泉にまつわる本を借りて炬燵で読んだり
今日ここに来る前に登ってきた子檀嶺岳の写真を見たりと、心身共にリラックス。
紅葉がピークだった子檀嶺岳(こまゆみだけ)
温泉で温まった体に炬燵の暖かさも加わり、うつらうつらzzz
布団にダイブして、深い眠りにつきましたとさ。
3ラウンド目は翌日の7時。と、昨日から温泉三昧で副交感神経かなり優位になっております。
味処「千楽」
基本的に叶屋旅館は素泊まり専門ですが、食事を付けたい人は叶屋旅館の隣にある味処「千楽」でご飯頼むというプランもあります。
本当にすぐ隣にあって、こちらは徒歩5歩くらいじゃなかろうかと
ちなみに私達は夕・朝食付けて税込8,300円+入湯税150円/人でした。(ここから更に県民割を使用)
予約時の部屋の空具合の関係で定員3~5名用13畳の大きな部屋を利用したため、基本料金よりも若干高いですが(部屋が2人用であれば7,000円/人)かなりコスパが良いです。
夕食
朝食
個人的には温泉旅館でよくある会席料理よりも、こういうシンプル素朴で土地のモノが食べられるご飯が好きです。
ここのご飯は素朴なんだけど、ちゃんと一仕事してあって美味しかった!
そうそう、ここの千楽も実は一旦は店をたたんでいたのを、叶屋旅館のオーナーさんが頼んで営業再開してもらったそうです。
会席料理は毎日食べると飽きそうだけど、千楽さんのご飯は毎日でも食べたい!
自家製の漬物やタレが絶品です。その他のお料理もおいしい。
朝食は色んな種類の自家製漬物のバイキング方式でした!作る人の優しいお人柄が偲ばれる優しい味。
「たくさんあがってね」という言葉に相方さんは朝ごはん3杯食べてましたね~。
因みにご飯を付けない場合は自炊となりますが、自炊場もこんな感じで必要十分です。
朝ごはんの後、周りを散策してからチェックアウト。
その後は沓掛温泉からほど近い田沢温泉・共同浴場「有乳湯」(うちゆ)へ
こちらも開湯が飛鳥時代後半と歴史のある温泉です。
有乳湯
営業時間:6時~21時
入湯料:大人(中学生以上)200円・小人(4歳~小学生)100円
年中無休
こちらも私好みのぬる湯、もちろん源泉掛け流し・加水なし。しかも泡付き。
沓掛温泉も田沢温泉もメジャーではないけれど、それ故に楚々とした佇まいと静けさがあって良いですなぁ。
有名処の喧騒が苦手な人、ぬる湯好きにはとてもおススメなところでした!
沓掛温泉 叶屋旅館<長野県>posted with トマレバ長野県小県郡青木村沓掛428-3[地図]楽天トラベルじゃらんJTBるるぶYahoo!トラベル
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