昔からゴージャスなものより素朴なものに、最先端のものより味わい深いものに惹かれる気質だった。
なので温泉宿も自ずとそういうところに目が向いてしまう傾向があるようで。
この日光澤温泉は何かの山岳雑誌に載っていてその鄙びた風情に一目惚れ↓
これはもう直球で私の心に刺さるものがある。
というわけで行ってきました日光澤温泉。
なぜかここは私にとって雪の季節に訪れたい気分だったので、私の心に日光澤温泉が宿ってから約3か月、
満を持して行ってきました!
こんなとこだよ、日光澤温泉
さてさて、日光澤温泉(公式HPはこちら)
所在地:栃木県日光市川俣
チェックイン/アウト:14:00/9:00 (12月~4月下旬頃は9:30)
源泉名:日光沢温泉(A)・日光沢温泉(B)混合泉
泉質:ナトリウム塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性中性高温泉)
浴場:内風呂2つ・露天風呂2つ
泉温:44.7℃
Free wifiなし
どこにあるのかというと…
見ての通り山を隔てて尾瀬がすぐ近くにあるという場所にあります。
調べたら尾瀬⇔奥鬼怒の縦走ルートもあるんですね。こんなルートあるなんて知らなかった。盲点!穴場!
まぁ、冬は雪に閉ざされるので 尾瀬⇔奥鬼怒の縦走をやる奇特な方はなかなかいないと思いますが。
そしてこの日光澤温泉は奥鬼怒温泉郷(八丁の湯・加仁湯・日光澤温泉・手白澤温泉 )の内の1つ。
鬼怒川渓谷沿いに点在している4つの温泉宿の内、日光澤温泉と手白澤温泉は歩いてしか行けません。
この「歩いてしか行けない」
ということに「価値がある」と思うのか「めんどくさい」と思うのか?
無論私は前者です。
どれだけ歩くかと言うと、スタート地点となる女夫渕駐車場から日光澤温泉まで私達の足で2時間15分でした。
宿のHPでも奥鬼怒遊歩道で1時間30分~2時間(積雪期は30分~1時間位余計に時間がかかります)とあるので、この季節は最大3時間見込めば良いかと。
普段登山をしている私にとっては寧ろ歩く方が秘湯感が高まって良いと思うのですが、日光澤温泉のあの鄙び感も含めて好みがはっきり分かれるところかもしれません。
女夫渕から日光澤温泉までの道
時系列でざっとこんな感じの雰囲気。
見ての通りこの時期(1月2週目)は最初からずっと雪道なので、それ相応の足ごしらえは必要です。
階段などは雪が溜まって坂道のようになっていたりするので、普通の靴だと滑ります。
普通のスニーカーの方やトートバックの方を見かけましたが大変そうだった…
因みに私は冬用登山靴にチェーンスパイクを履きました。
ワカンも持っていたけど天候が安定していたのと、トレースがしっかりついていたのでワカンは車にお留守番。
遊歩道を行くと最初に着くのが八丁の湯↓
八丁の湯から少し行くと…あれに見えるは加仁湯なり
加仁湯を過ぎて少し行くと…今宵お世話になる日光澤温泉!
好きな人はすごい好きではないかと思われる佇まい。期待が高まります!!
日光澤温泉滞在記
もう外観だけでも目の保養って感じなのに、ここに泊まれて温泉に入れるなんて幸せすぎる。
玄関の石畳部分に柴犬がいるのもイイ。和む。
この石畳の下に温泉が通っているので、足下がほんのり暖かくてワンコも幸せ。
愛されワンコの目だわ。これは。
建物内はこんな感じで、どこを切り取っても絵になってしまう。
柴犬のTシャツや手ぬぐいも売ってます。
真ん中の蛇口からは温泉がでます。
廊下にはホットカーペットも敷かれているので、館内は思ったよりも寒くない。
ん~~、イイ。宿に入ってからもう何度呟いたことか。
談話室↓
お手洗い↓ 見た目はモロ純和風ですが、ドアを開けると洋式水洗でキレイです。
通された部屋もとにかく落ち着く佇まい。
この時期、炬燵もファンヒーターもあるのは嬉しい。
広縁から窓の外を見たら、ツララが凶器になってた。
それにしても…窓の外が「今、何時代だったけ?」と思う光景。すごいトリップ感。
因みにauは圏外でした。Wi-fiもなし。でも、寧ろそれが良いというもの。
こんな風情あるところでデジタル機器とにらめっこなんて無粋だと思う。
部屋に広縁があって、こたつの上にはお茶とお茶菓子があって…と。
山小屋と温泉宿がこれ程いい塩梅でMIXされているところって初めて。
日光澤温泉的にはここは山小屋であると明言されてますが↓
個室だし部屋に炬燵もファンヒーターもあるし、何より温泉あるし。アメニティーとして浴衣とタオルあるし。
私的には山小屋レベル越えてます、居心地良すぎ。
あ、そうそう部屋は鍵がないので、貴重品は自己管理です。そこらへんは山小屋に慣れている人であれば問題ないでしょう。
そう考えるとここに山小屋気分で来るのか?それとも温泉宿気分で来るのか?でだいぶ印象異なりそうだなぁ。
いざ、温泉に
この階段を下りますと…
温泉入り口。19:00~21:00の間だけ男女が入れ替わります。
向かって右側の(上の写真でいうと)男湯の方に2か所の混浴の露天風呂があるので、混浴はちょっと…という女性はこの露天風呂に入れるのが 19:00~21:00 の実質2時間のみ。
私も混浴はちょっと…なので、露天風呂に入れたのはたった1回1時間ほど。
せめて朝の時間も露天風呂に女性専用時間を設けてくれたらなぁと思う次第です。
脱衣所
脱衣かごを置く棚の奥の壁一面に温泉パイプが張り巡らされていて脱衣所がほんのり暖かい。
内風呂はこんな感じ。ここから外にでて露天風呂にも行けるんだけど、女性専用時間でないとハードル高くて行けず。
湯の花浮いてて、タマゴ臭も香ってリラック~~ス。お湯は熱め。
その頃相方さんは男湯で内湯&露天と大満喫
女湯は透明なのに、男湯は乳白色。
温泉分析表によると 日光澤温泉 (A) ・日光澤温泉 (B)混合泉とあったからその違い?
上の写真の建物と湯船の間にある階段を登ると…もう1つ湯船が。
繰り返し言いますが混浴はちょっと…という女性がこの2つの露天風呂に入れるのは19:00~21:00。少し無念。
とは言え、女湯の方はほぼ独泉で入れたのでまぁ良しとしましょう。
日光澤温泉のご飯
ご飯は1階の食事処で頂きます。
料理も山小屋レベル越えてます。
ついつい日本酒を注文。
お酒の種類もそこそこあるし、岩魚刺身とか骨酒とか魅惑的なサイドメニューもあったり。
自販機でビールも買えちゃったり。
部屋でも少し飲みたくなったり。(お酒弱い方なんだけど、雰囲気に弱い。この風情に乾杯したい)
朝ごはん。温泉たまごもでた!
日光澤温泉の夜
お腹もくちくなり、温泉にも浸かってスッカリ出来上がった頃にフト玄関先に来てみますれば
眠そうなサンボ君。(このころには名前も覚えた)
なんか起こしてしまって申し訳ない。
外に出て宿を振り返って思わず息を飲んでしまった。旅情・慕情・風情を感じさせるこの佇まい。
一朝一夕には決して備わらないこの風格。 窓から漏れる光も優しい。
しんしんとしているなぁ。
ここに来れて本当に良かった。
部屋に帰って目にするモノもなんかしんしんとする夜
この明かりの色がまたイイんだよなぁ。温かみがあって、なんだか安らぐ。
天井の木目が懐かしい。この天井を見上げながら眠りにつきましたとさ。
翌朝~チェックアウト
朝起きてから温泉に入ったり、ご飯食べたりしてたらあっという間にチェックアウトの時間に。
柴犬のチャングとサンボのカワイイ見送りに、皆足を留めてしまうので玄関前は少々密。
日光澤温泉のこの建物にはしみじみと柴犬が似合うなぁ。
あ、そうそう犬と言えば、日光澤温泉を辞して女夫渕駐車場に戻る道すがら…
八丁の湯でワンコを見かけて… 多分、八丁の湯で飼われているチョロ君だと思う。
その先では登山者をガイドするように歩くワンコが 。
(そのグループが「あの犬、私達のことあそこで待っててくれてる!」って言ったのを聞いた)
昨日同宿者から「手白澤温泉に泊まった時に道案内をしてくれた川上犬がね!」という話を聞いていたので、ピンときた。
多分手白澤温泉で飼われているガク君と思われます。
奥鬼怒温泉郷の愛すべきワンコ達に会えてラッキー!
温泉と犬が好きな人には激しくおススメの奥鬼怒温泉郷。
鄙びた雰囲気が好きなら断然日光澤温泉でしょう。
いつか尾瀬⇔奥鬼怒縦走もやるような気がするので、その時にはまた日光澤温泉に泊まりたい。
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