拝啓
小暑の頃、いかがお過ごしでしょうか?
もしかすると貴方は歯並びなど全く気にしておらず、私のこの突然の手紙は差し出がましいものかもしれません。だた、何となくご自身の歯を気にされているのではないかと思ったので、少しでも私の体験がお役に立てばと思い筆をとりました。
ここまで読んで気を悪くされたらすみません。どうぞこの手紙は破り捨てて下さい。
実は私は矯正を始める前までは「歯並びなんて気にしていない」と思っていたし、実際周りにもそのように公言して憚らなかったものです。
でも、今思い返してみると潜在意識の中ではずっと気にしていたのではないか?と思われるふしがありました。
というのも、先日実家に帰省した際に何気なく自分のアルバムを見ていたのですが、大人の歯に完全に生え変わってからの写真で大口を開けて笑っているのがほとんどないのです。
口角だけ上げて笑顔っぽくしているか、変顔(たいてい目を見開いてあさっての方向を向いたり)、口元に軽く手を添えているか…変顔はおそらく見た人の視線を口元ではなく顔の上半分に向けようとする思惑があったんだと思います。いずれにしても顔の表情のバリエーションに乏しいですし、何より不自然な印象が残りました。
それ以前は天真爛漫な笑顔で写真に収まっているというのに。
今なら分かります。
自分の歯並びの悪さを意識していたってことが。
自分の歯に無頓着であったと以前何かの折に別の便りでも書きましたが、自分の心の奥底を掘り下げていくと、やはり気にしていたんだということに思い至ったのです。
矯正を初めてから痛切に感じたことは「自然な笑顔になれないって、今まですごく窮屈だったなぁ」ということです。
今の私は口元を100%覆わなくなりました。面白いことがあればパッと笑えるんです。それがとても心地よいのです。そもそも歯並びの悪さを隠す・何かを隠すという行為は非常に労力がいることです。
この先、そんな無駄な労力は使いたくないのです。
それに隠し続けると、その人の自信や自尊心、つまり自分の核となる部分に少なからずマイナスな影響がでてくると思います。
歯並びの悪さは体のあちこち(歯や歯周病のリスクが高まる・発音が悪くなる・よく噛めず消化器系に悪影響・顎関節症・頭痛・肩こり・めまい等々)に関わっていますが、それと同じくらい心・メンタルの部分にも密接に関わりがあるのだと、自分のことを振り返って改めてそう思いました。
あなたがもし歯並びを気にされて矯正をお考えであれば、外見だけはなく、是非とも心の部分を含めてご一考下さい。お互いに心身共に健康・健全でありたいものですね。
末筆ながら、多雨の折どうぞご自愛くださいませ。
敬具
でこぼこオラフより
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